小さい頃から知っている、私の友達のAちゃんは、小さな頃からかなりの天然ボケで有名だった。 幼稚園でやった白雪姫では、舞台セットを倒して台無しにしてしまったし、小学校に入っても掃除一つまともにできなかった。 雑巾がけをしようとすればバケツを倒して廊下を水浸しにしてしまうし、黒板消しが汚いまま黒板を消してしまい、黒板を真っ白にしてしまったり。 そんなAちゃんだったが、高校生になると一変、急に男子の人気者になってしまった。実はかわいいその顔立ちも手伝い、天然ぶりがかわいいと、 俄然ちやほやされるようになってしまったのだ。Aちゃんのまえりに男子がうろうろするようになって、 その光景が何かに似ているというか、見たことがあった様に思えるようになったが、それがどんな光景だったかはその時思い出せず、 当時ちょっと気持が悪かったのだが、ちょっと前にAちゃんにばったり会い、10数年前のあの疑問がやっと解決した。 道を歩いていて突然ばったり会ったAちゃんに、「今なにやってるの?」と尋ねると、「実は私、ブリーダーになったの」 とAちゃん。「あなたも知ってると思うけど、私の取り得って、これくらいでしょ?昔から犬や動物にはとっても好かれるし、 昔から大した努力をしなくても、大抵の動物はちゃんと手なずけられるから。」それでピンと来たのだ。 そう。Aちゃんにも一つ取り得があった。それは動物を扱うこと。近所に住む乱暴な犬でさえ、 Aちゃんには吠えるどころかくーんと言ってなついていた。高校生のとき、Aちゃんのまわりにうろうろする男子の図は、 それと似ていたのだ。小さな疑問だったけれど、解決した瞬間、なんだかすっとして、一人でにやにやしてしまった。 そんな私を見て、Aちゃんはとても不思議な顔をしていたけど、あまり気にするたちではない彼女は、 「じゃあ、犬たちが待っているから!」と笑顔で去ってしまったのだった。 ブリーダー。彼女にはこの上ない職業だろう。しかし、Aちゃんのことだ。名ブリーダーならぬ、 迷ブリーダーになっていないかどうか、心配だ。